大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和48(あ)2593 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人飯田孝朗、同秋山幹男の上告趣意第一は、違憲(二一条、三一条違反)を

いうが、憲法二一条の保障する表現の自由も、絶対無制限なものでなく、その濫用

が禁じられ、公共の福祉の制限の下に立つものであつて、性生活に関する秩序およ

び健全な風俗を維持するため、猥褻の文書または図面の頒布、販売等を処罰するこ

ととした刑法一七五条の規定が憲法二一条に違反するものでないことは、当裁判所

大法廷判決(昭和二八年(あ)第一七一三号同三二年三月一三日判決・刑集一一巻

三号九九七頁、昭和三九年(あ)第三〇五号同四四年一〇月一五日判決・刑集二三

巻一〇号一二三九頁)の趣旨とするところであり、また、原判決が、本件文書は三

人一組の性戯、性交の場面等を、性器の形状や動き、行為者の言動などにつき具体

的詳細かつきわめて露骨に描写することに終始した全くの春本に属するとし、本件

に刑法一七五条の規定を適用すべき実質的かつ合理的な理由があるとした一審の判

断を肯認したのは正当であり、したがつて、原判決に所論憲法の違反があるという

ことはできない。

上告趣意その余の点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも適

法な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和四九年四月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

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裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

裁判官 岸 上 康 夫

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